▲Scene image text▼
「ちょっといいですか?」
「え? なにが?」
愛は僕の問いかけを待たず、両手で僕の左手を持ち上げた。
ドギマギしてしまう僕をよそに、愛は相変わらずの無表情のまま、両手でむにむにと僕の手を揉んでいる。
「……祐爾の手、暖かくて気持ちがいいですね」
よくわからないけど、愛は僕の手の感触を気に入ったようだった。